コーノリアス式絵画

コーノリアス蟻蛾(ギーガー)による、落書きが自己主張するブログ。蟻蛾党(ありがとう)、落書き戯画クラ、コーノリアス式開眼法…と、まずブログのネーミングから迷走中。

プリズムブレイク

今回はテクニカルな面での備忘録として。

 

ちょっとした都合で、プリズム模様というのかホロ光沢というのか、とにかくビックリマンのヘッドシールの背景みたいなきらめきを再現しようと試みることにした。

そんな試みにいったいどんな「ちょっとした」動機があるのかというと、本物のプリズムシートの光沢を写真撮影することに挫折したからである。

だからどうしてそんな撮影をしようとしたのかという話だが、その輝きをアニメーション的に再現しようという目的があったのだ。

だからその目的は動機というより手段でしょ、なんでそんな(ry

 

…付き詰めると不本意にも仕事の話になるのでこの辺で止めるとして。

 

結果的に、かなりそれらしいものができたと自負している。

これが証拠の自負アニメ。

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いや、GIFアニメ。

そう、僕は「じふあにめ」と読んでいます。「ぎふあにめ」と読まれる方もいますよねきっと。

今回は落書きが主役ではない。いやもうほんとに、プリズム具合のそれらしさを確認するためだけに描かれた、まさに落書き。名前の「修羅院命殿」も「Shrine Maiden=巫女」ってだけのちょっと調べ甲斐のあった小ネタ。

 

さておき。

意外と、検索しても需要のない見つからないプリズムアニメの作り方。

僕は大きく二段階の作業工程をふむことにした。

 

第一段階

まずは模様の1マス分を作ること。この作業はイラレがいい。本物を観察して、放射状は約16.36°ごとに面を分けたら良さそうだと分析。そして、モノトーンのグラデーション的色分けを行う。次はそれを複製しながらあたかも回転して見えるような色変化をつける。

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何となく10種類のマスができあがる。今回はこの1マスを一辺6mmに設定し並べる。もちろん10種類を10レイヤーにふりわけて、それぞれ同一の模様が縦横ずらりと並ぶように複製を繰り返す。

これで第一段階は完了。

 

 第二段階

次にPhotoshop用にPSD書き出し。もちろんレイヤーを保持するように。このとき「何故だか途中でメモリとか容量的なエラーが起きて書き出しできない」壁に当たる。結果的に各レイヤーのグループ指定を解除することで事なきを得た。(試しに1レイヤーだけ何とか書き出せた際PSDを開くと、どうも元のグループ指定のせいでとてつもない量のパーツが階層化・レイヤー化されて無駄に個別の形状を維持していることが分かったので、それを回避した結果の成功と思われる)

とにかくこの時点でGIFアニメ作成をしてもそれなりにいい感じである。が、ホロといえば七色の反射光沢感である。現実には周囲の光の角度や種類・強弱とかによってはモノトーンも起こりうるのだろうが、ここは何が何でも鮮やかな色のうつろいである。

 

とっかかりはシンプルに、乗算レイヤーを追加して色付きグラデーションを画面全体にかける。それを複製・色相加工×9回で10パターン。まだ統合はしないこと。

これでまあまあなアニメーションになるはず。

しかし、本物をよく見ると先の放射状グラデ、色の暗い箇所であるほど上記色味・彩度が落ちるようである。

それならと、元モノトーンレイヤーを複製・反転。その画像に対して乗算設定だった色レイヤーを明るさ設定(「スクリーン」的なやつ)で合成したものを「暗さ」設定で重ね直す。

もう説明グチャグチャだが、こうして「暗い部分ほど彩度が落ちている、色付きホロ風」にたどり着く。

 

 第二.五段階

さて、これで第二段階は完了だが、かなり重要と思われる仕上げ工程を第2.5段階としてメモ。

イラストの世界でも仕上げといえば定説のハイライト(という個人的な思い込み)。このプリズムにもそのハイライトが効果的と踏んだのだ。正直なところ、この時点で本物を見直したら、反射状況がもっと複雑っぽいことが分かったため。やはり初めの観察をもっと慎重にしましょう。

で、三角パーツを幅の狭い色域指定で抜き出し、色を付け直し、アニメのタイミングをシャッフルして(ここでは逆転)重ねて完了。

 

 

この説明を経て再度見てみると、なるほど新たな発見があるような気になりませんか?

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そうです!

実は修羅院命殿の正体は、変装の巧妙さで「気ぐるい」との悪名高いキグルミ総統だったのです!

 

余談に重ねての余談ですが、背景のないパターン↓

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これだとたちまち天使シールどころかお守りシールくらいに格落ちして見えます。

やはり装飾は大事ですね。

 

以上、プリズムで遊んで休憩、プリズムブレイクでした。

パロディズムというパラサイティズム

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 言葉が先行するアイデアというのがあって、歌詞にインスパイアされたり小説の映像化であったり、というのが該当するとします。そしてこの絵は、人名から「同音異義語」を見つけたことをきっかけに描いたものです。

 

ダジャレとも言いますね。

 

ではなぜわざわざ絵や映像を作るのか。自分が思うに、それは補完欲求みたいなものなのではないかと思うのです。

まんがのアニメ化、アニメの実写化。その他多くのマルチメディア展開。賛否否否両論となるのはだいたい目星がつくものですら作ってしまう理由です。

 

「これをもっと分かりやすく伝えたい」「ありとあらゆる方法で形にしたい」というような欲望は補完欲求・支配欲・把握欲・説明欲・広報欲といった、自身が他者へ働きかける高度な欲望だと思うのですが、単に「自己顕示欲」と言うのでしょう。

おもしろいことに、自己顕示とオリジナリティはそれほど関係のある要素ではありません。むしろできるだけ多くの共有・共感を自分主導で起こすには他人の知るものを多く引用するのが得策と、思ってしまうものなのです。

だから「同音異義語」を発端に、「分かりやすくするために」引用したり、「この言葉(人名)におかしみを感じてもらい」共感してもらうために正統派作品風なタッチ・レイアウトの絵を描きたい。「こんなことを考えたよ、何となく伝わるよね?」と。

そんなもやもやした欲求や意図がこういった落書きを自分にさせるのです。

 

そして、↓こんなあたりになってくると、ちょっと見てる方もよく分からなくなってくると思うんです。

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きっと描き手の意図しない解釈も生まれて来て、それが不快感であったりコレジャナイ感であったりするのではないか。

だかられっきとした作品づくりには計画というものがあって、これら落書きにはそれがなく、かわりに大量に生産されるべきなのではないか。

と、寡作な落書き好きがよく分からないしめ方で自分の首をしめ始めましたよ。

タイトルが浮いている今回の記事でした。

落描き用キャンパス

「落描き」。

きっと、ぽろりぽろりとこぼれ落ちるように描きつづるものなのでしょう。

そのとき、画材はたいてい目の前にたまたまあるものでまかなわれます。

なので、シャープペンでもボールペンでもよいし、使い慣れたものである必要もない。

プレゼント用でもなければ計画的に作品を作ろうというのでもない。延々と本番の無い習作続きの日々、それがラクガキストの暮らしと言えるでしょう。

今日はこれ。

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レシートの裏。

神は細部に宿る。

ラクガキストの魂は、紙の細部に宿る。

 

レシートはだいたい、家計簿に支出を記入したら捨ててしまいます。

つまり僕は、「レシートは要りますか?」と100円ローソンの人に聞かれたら一応もらうタイプです。

しかも20円引きシール付きの商品を2個とか買ってもPONTAカードをレジに差し出すタイプです(200円を超えないとPONTAには1点も入らないんですよね確か)。

今日(日付的にはもう昨日)の買い物は豪勢に計216円。正規料金で購入しています。

そんなことが察せられる情報を裏に持つ紙が今日の「キャンパス」。

で、こんな感じで天使みたいなのを描いちゃうと、「捨てないでおこう」と考えてどこかにぽいと挟んだりしまい込んだりするのです。

 

僕の落描きはかなりの割合で裏紙です。